まなぶ,みがく。

自分で学び、自分を磨く。学習と研鑽にいそしもう。

同一性拡散の危機

アイデンティティ(自己同一性)がうまく達成されないとき、
人は同一性拡散の危機に陥るとされています。
つまり、「自分が何者なのか、何をしたいのかわからない」と思い悩むわけです。
同一性拡散のあらわれとして、対人的かかわりの失調(対人不安)や、
否定的同一性の選択(非行)などがあります。

って。
以上はウィキペディアの受け売りです。
なんだか小難しい文章ですが、
要は、この世に生まれたからには、何事かを成し遂げたい、
しかし、自分は何をしてよいのか、何ができるのか、
わからないで悩んでいる方達は、人との関わり方で躓いたり、
自分は「こんな筈じゃない」と思うんだけど、
なぜか「こんな筈じゃない」ことにはまりこんでしまったりする、
そういう危険性がある、ということでしょう。
誰にでも、そんな経験ありそうですね。
私は高校生のときに、受験勉強する自分が理解できず、
それから逃げるようにして一人旅をしました。
そんなことしてる場合じゃないことはわかっていましたが、
その旅を、その時にしなければならないと思い込みました。
列車に揺られ、山間の鉄橋を通過するときでしたか、
この列車から飛び降りたら、私は「死ねる」、そう感じた瞬間があったのです。
「死ねる」という考えを持ったのは、後にも先にも、あの瞬間だけです。
死ぬ、ではなく「死ねる」と感じた自分が、怖くなった記憶があります。

アイデンティティを獲得するための準備期間をモラトリアムと言いますが、
人によってその時期、長さはさまざまでしょう。
いくつであろうと、アイデンティティを確立するための挑戦をする権利があります。
危機の鉄橋を越えた人だからこそ、生の証明をこの世に残したい、
そう考えるのが自然です。私は、そう考えます。
私は、いまだにモラトリアムだというほど厚かましくはないですが、
アイデンティティ獲得のための片道切符は、手にしているつもりでいます。