弱い者いじめはやめなさい

ある会社で、こんなことがありました。
派遣社員を受け入れているその会社では、
さまざまな矛盾の皺寄せを派遣社員に集中させるため、
何人も何人もの派遣社員が、
派遣されては辞め、
派遣されては辞め、
なかなか定着することがなかったそうです。
あるとき。
勇敢で正義感の強い派遣社員が来て、
そのポジションに就きました。
会社の正社員はいつものように、
きついきたないきけんな作業を全て、
その派遣社員に押し付けて素知らぬ顔。
社員のなかには、
いつもの調子で意地悪をしたり、
よってたかっていじめたりするようになりました。
初めのうちは耐えていた正義感の強い派遣社員は、
我慢の限界を超えたところで叫びました。
「何が楽しいのですか！
派遣社員をいじめることで、
あなた方のストレスが解消するのですか！
派遣社員は、正社員のストレスのはけ口ではありません！
弱い者いじめをしてはいけないという、
幼稚園児でも知っている最低のモラルが、
この会社にはないんですか！
この会社の社風なんですか？
人間が人間らしく働くことを拒む会社なのですか、ここは？
心が荒んでしまった人間しかいないのですか、ここには？」
会社は、正義感の強い派遣社員を、即刻辞めさせ、
すぐに次の派遣社員をリクエストしました。
また、犠牲者が、やって来ます。